最終更新日 1999.11.24

OVER DRIVE MR-300(SUZUKI)


テン・ホールズ・ハーモニカでオバー・ブロー、ドローを出しやすいように開発された新製品です。

オバーブロー、オバードロー
 オバー・ブロー、オバー・ドローとは?Howard Levy Study Noteにも記述してあるが、吹いた時に吸ってなるリードを鳴らし本来得られるピッチではない音を出すことです。
  例えば5番穴をブローするとE音、ドローするとF音が出るがオバーブローすることによりF#音が出る。この時鳴っているのはE音のリードではなくF音のリードが鳴っている。つまり吸って鳴るべきリードを吹いて鳴らすと違うピッチが得られる。

なんで?どうやって?
 何故そんな都合よく足りない音が出るのかというとリードの相互作用が関係している。それ以上は知らない。
 どうやって、その音を出すかというと私にわかる範囲でHoward Levy Study Noteに記述してあります。

ユーシンさんの教本
 「10holesBluesHarmonica」 吉田ユーシン(全音)にオバードロー、ブローの方法として、リードカバーをはずし本来なるべきリードを指でおさえて吹いてみてそのコツをつかむと記述があります。

SUZUKIのOVER DRIVEは
 空気が抜ける部分を穴ごとに仕切りをし、空気が抜ける穴を作り、それをふさぐことによりオバー・ブロー、ドローを出しやすくするという10 Holes Daiatonic Harmonicaです。

音を出してみて
 5,6,7番に関しては、簡単にオーバーブローできます。ゴールデン・メロディーで出した時よりしっかり大きな音で鳴ります。逆に大きい音で鳴るので、ロング・トーンなどを練習して音色もコントロールしないと、ノーマルトーンとの音色の差が際立ってしまいます。
 オーバー・ブローが初めての方は少し難しいかもしれませんが、普通の楽器でやるよりやさしいはずです。
 しかし、1番のオバー・ブロー等は出来ません。先日お会いした時にユーシンさんは、例えばマリン・バンドなどでも簡単に出来ると言ってましたので、まだ私は練習不足あるいはコツがわかってないのでしょう。

使えるかな?
 空気の抜ける穴がボディーについておりこれを覆ってしまうと音が出なかったりするので、最初は持ち方に戸惑いますが、少し慣れればなんとかなりそうです。逆にこれを利用して違うハンド・ビブラートができそうです。
 実際問題としてとりあえずほしい音は5、6、7番でのEb、F#、Bbでしょう。この3つの穴を左手人差し指の先の方で塞げるように持てば、そうグリップを変えないで演奏可能かと思います。
 最近私はテン・ホールズを練習してませんので、この楽器にはあまりまじめに取り組まないと思います。やはりジャズにはクロマチックの方が楽です。キーがDしか販売されていないのでジャズでは使う機会もありませんし…
 この楽器はブルース・プレヤーは必要ないかもしれませんが、少し違う音楽をやっているテン・ホールズ・プレヤー、例えばリー・オスカーが好きな人などは、いろんなチューニングのハーモニカを用意しなくても対応できるようになるかもしれません。

OVER DRIVEは
 新しい可能性を秘めた楽器です。オバー・ブローの説明書もなく販売されてますが、メーカーさんがこれを作ってくれました、使い方は各プレヤーがこれからいろいろ考えていく必要があると思います。
 10Holesの新しい世界を作る楽器かもしれませんし、ただのオバー・ブロー練習機かもしれません。オーバー・ブローに興味のある人、テン・ホールズは何故?出ない音があるんだ!と不満な方は試してみましょう

関連サイト
オーバブロウ生首
〜POPな薫りの変態バンド〜有害図書さんのページの1コンテンツです。
ボーカル・ハーモニカなど担当のmasaruさんは、オバーブロー、ドローがちゃんと出せるようです。こんなマニアックネタに興味のある人はアクセスしてみて下さい。

関連Contents
 Harmonica Study/Lee and Ten Holes
 Harmonica Study/Howard Levy Study Note

©fuji-h

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