最終更新日 1999.11.2

Lee and Ten Holes

Lee and Ten Holesについて
Lee Oskar and Ten Holes Harmonicaということです。
タイトルに関してはToots (Thielemans) and (Chromatic) Harmonica
のからとりました。(^^;)\(--;)ビシッ!

テン・ホールズ・(ハーモニカ)って?
 一般的にはブルース・ハープと呼ばれいます。でも、ブルース・ハープはホーナーの一つのモデルの名前です。当ページでは少しこだわってテン・ホールズ・ハーモニカと呼びます。

テン・ホールズのホーム・ページ
 テン・ホールズはクロマチックに比べてやっている人がたくさんいます。(当社比25.6倍)なのでホーム・ページもたくさんあります。一般的な知識については、そっちへ行って下さい…
さようなら\(-o-)
テン・ホールズ関係のおすすめホーム・ページ
10Holes(ブルース/クロマチックハーモニカ専門店)
Easy Harp
SUZUKI-MUSIC

































お帰りなさい。\(^o^)
また、クロマチックは極端に情報が少ないので、テン・ホールズの方からいろいろヒントを得るのもいいでしょう。

わたくしごと
 私はクロマチック・ハーモニカの方を先にはじめまして、1年か2年程たってからテン・ホールズもはじめました。最初の頃は平行して練習していましたが、別な楽器なんだと思い始め、全然吹かなかった時期もあります。今はたまに吹く程度です。



---クロマチックとテン・ホールズの違い---

構造
 この違いは尺八とフルートの違いに似ています。尺八とフルートではやっている音楽が違うのでそのイメージから誤解しないようにしていただきたいのですが、尺八は5つの指穴しかなく指穴を半分ふさいだり首振りとかいって口の方で調整したりしていろんな音程を出します。一方フルートは指穴はたくさん開けて、キーをたくさん付ける事により西洋の12音階を均等に出せるようにしています。
 テン・ホールズの20個の音の構成音は中音域はドレミファソラシドですが低音域はファとラ、高い音域はシの音がありません、これをベンドという奏法でつまり一つのリードで複数の音を出してカバーして演奏します。この奏法で出せる音には限界があるので、キーによって楽器を持ちかえます。尺八もキーによって持ち替えたりしますね。一方クロマチックハーモニカはスライドレバーによって12音階が出せるようにしています。
 単純なものから複雑な音を出すのが尺八でありテン・ホールズ、その逆がフルートでありクロマチックハーモニカであるとも言えます。

どちらの方がいい音がするか?
 まず、ジャズハープスタディのトゥーツ・シールマンスのインタビューの中の言葉を引用します。
「クロマチックでよいトーンを得るのは私にとって闘いみたいなものだ。ブルースの連中がマリン・バンドでやっているようにクロマチックでも同じサウンドを選られれば良いのだからね。」
 注1:相変わらず訳文があやしいです。
 注2:マリン・バンドとはホーナー社のテン・ホールズハーモニカのモデルのひとつです。ブルース・ハープよりリードが固めで(初心者には吹きづらい)プロのブルース・プレヤーに愛用者が多い。

 と、トゥーツ大先生もおっしゃっている通り、テン・ホールズの方がいい音がすると思います。なぜかというとリードまでに障害物が少ない。クロマチック・ハーモニカはスライドレバー部分があるためその厚みの分、口からリードまでの距離が遠い、しかもそのスライドレバー部分は調整によっては息漏れの原因にもなるやっかいなものです。
 また上記の構造上の違いで述べたように、単純なものから複雑な音を出した方がいい音がするはずです。

ダイナミックスに関して
 ダイナミックスに関してはクロマチックの方が幅があるように思います。クロマチックの方が大きい音がするのではありません。クロマチックは小さい音でもしっかり鳴るという事です。私のテン・ホールズの奏法が間違っているのかもしれませんが、テンホールズはある程度のボリューム以上じゃないとサウンドしません。10をMAXとすると常に5から10位プレイする感じで、一方クロマチックは1から10まで使えます。
 トゥーツ・シールマンスのライブを見に行っていつも思うのですが、トゥーツは1から10の幅がとても大きいです。(CDではわかりにくいです。)

使用上の注意
 テン・ホールズは基本的にキーによって持ち替えます。これはちょうどギターでカポタストをつけるのに似ています。一つ楽器でフレーズを覚えてしまえば、あとは楽器を持ちかえるだけで種々のキーに対応できます。これはある意味で非常に楽かもしれませんが、いろんなキーを用意しておくのは大変ですし、楽器を取り違えると、大変なことになります。それとスライドレバーという目印がついていないため、低音部と高音分を逆に持ってしまって、とても驚くことがあります。
 一方クロマチックは種々のキーに対応するための練習をしておかなければいけませんが、楽器は1本で済むので、音を間違えても素知らぬ顔で元に戻すことが出来ます。(音を間違えたと自覚できる場合に限る)



リー・オスカー
 1948年3月24日 デンマーク・コペンハーゲン生まれ。
 6歳の頃よりハーモニカを吹き始める。
 1966年 渡米
 1970年代 WAR(ウォー)というバンドで活躍。
 1976年 ソロとしてのファーストアルバム「約束の地」が大ヒット。
 1978年 セカンドアルバム「ビフォー・ザ・レイン」を発表
 1980年 映画「マイ・ロード」のテーマ音楽を担当

「約束の地」を知っている世代の人に聞くと、ハーモニカっていうと、トゥーツの次かその前に名前のあがる人です。(当時小学生だった私はよく知りません。)

リー・オスカーの最近のCD
 「Those Sunny Days」 96年発表 TKCB-70540
ジョージア・オン・マイ・マインドや星に願いをなどのスタンダード集。これを採譜した楽譜集も出版されています。

 「reflections」 99年発表 TKCB-71633
アイアート・モレイラやエブラハム・ラボリエルといった人達をバックにしてブラジル音楽集。

リーオスカーが使ってるハーモニカ
 普通のブルース・ハーピストが持ち歩いているのは、普通のチューニングのハーモニカの12〜14本だけでしょう。ブルースをメインに演奏するのであればこれで足ります。リー・オスカーは特殊なチューニングのハーモニカを使ってます。
 トンボ社製のリー・オスカー・モデルという自分の名前を冠したモデルで、以下の4種類のチューニングのがあるようです。なお上記のCDにはどのキーのどのハーモニカを使ったか1曲ごとに記されてます。
 1)Majorメジャー 普通のチューニングのハーモニカ
 2)Melody Maker メロディーメーカー 2ndポジションにてメジャー7th、低音2度の音が出せるもの
 3)Harmonic Minor ハーモニックマイナー
 4)Natural Minor ナチュラルマイナー
仮にこれらをすべて用意しようと思うと12×4で48本必要です。(Low とHighを用意すれば 14×4で、56本 @2,500円として14万円なり(*_*) )
 私は少し前までそんなめんどうなことしないでクロマチックでやればいいのにって思ってましたが、そうではなくテンホールズならではの音色にひかれて吹いているんだなあと思うようになりました。単にクロマチックの修得という技術的な問題かもしれませんが、彼が必要とするサウンドは、クロマチックでは出せないのではないでしょうか?逆にトゥーツはテン・ホールズではダメでしょう。
 また、単に音色だけの問題ではなくどういうフレーズを吹きたいかという問題もあります。ドミナント7thの時にオルタード・スケールなどでジャズっぽいアプローチをしようと思ったら、別項目で取り上げているハワード・レビーのように吹かないと不可能です。
Howard Levy Study Note

読譜
 リー・オスカーは譜面が読めないそうですが、仮に譜面が読めたとすると高度な転調(譜面の読み替え)の知識が要求されます。ハーモニカ用に譜面を用意しなければコンサートキーで書いてあるのを読み替えないといけません。
 サックスプレヤーなどは自分の楽器のキー(1種類か多くても2種類)の読み替えは出来るはずですが、ハーモニカの場合全部のキーで読み替えをしなければいけません、初見でやるとしたらとても難しいです。
 注:読み替えについて たとえばテナーサックスの場合Bb管であるため、ドを吹くとBbの音になる、inCの譜面でドと書いてあったら、テナー・サックスとしてのレの音を吹く。つまりドの音をレと読み替える。
 また譜面が読めることによってもたらされる弊害というものがあります。耳をおろそかにするというか、譜面に書いちゃって覚えないとか…
譜面に関しては私は次のように乱暴に定義してます
 初級 譜面が読めない
 中級 譜面が読める
 上級 譜面が必要ない
ハーモニカはうたを思い浮かべ、音を探りながら吹くのに適した楽器かもしれません。

最後に
 CDの解説などを読んでいると、同じハーモニカって事でトゥーツ・シールマンスとリー・オスカーがあたかも同じ楽器を演奏しているような書き方をしていますが、このように同じハーモニカではありますが、全然違う楽器なんです。

©fuji-h

Harmonica Study

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