最終更新日 2001.7.24

Harmonica Study

奏法・練習法
持ち方
 楽器が落ちなければどんな持ち方をしてもいいんですが、手はリラックスするように心がけましょう。緊張と弛緩は奏法全般に共通する問題です。穴の移動は必ず楽器のほうを動かすようにします。顔を動かしてはいけません!でもトゥーツは顔を動かしてますので、慣れてくればどうでもいいことです。
 基本的には両手で楽器を支えるのですが、右手だけで支える方法をマスターしておくと左手で、マイクや譜面を持てて便利かもしれません。また、片手をぶらぶらさせて肩の力を抜く感じをつかむといいでしょう。
 ボタン操作している右手とあるいは支えている左手と、今吹いている穴の距離感をつかめるようにしましょう。
 クラシックの場合のちゃんとした奏法はハンド・カバー・ビブラートを使うのでこんないいかげんな持ち方ではいけません。知ってる人に聞きましょう。
アンブシャ
 口の形を空気がもれないように、しっかりと保つ。最初は1つの音だけを出すのが、難しいかもしませんが、あせらずにこつをつかみましょう。持ち方の項目とダブりますが、穴の移動は顔を動かさずに、アンブシャを固定したまま楽器だけを動かすということが重要です。
 くわえれば音が出るので、簡単なようですが、楽器との一番重要な接点ですので、自分の音を良く聴いていい音が出る形を研究しましょう。
 ハーモニカにもギターのようにオクターブ奏法があります。がばっとくわえて出ちゃいけない音を舌でふさぎます。舌の左や右から息を通して目的の音を鳴らします。この舌で不要な穴をふさいで吹く奏法をタングブロック奏法といい、クラシック奏者がよく使い、和音はもちろんですが単音でもこの奏法で吹きます。音色が柔らかくなるようです。コードの制約はかなりありますが、これを応用してメロディを吹きながらアルペジオを吹くという事も出来ます。でもトゥーツがやらないので、あまり練習していなかったのですが、オクターブ奏法は効果的なのでたまに使います。一つの穴だけを吹くのをパッカー奏法といいます。

 いい音を出すのに重要なのは、喉の使い方です。あくびをする感じで、喉の容積を広げ音を出します。こうすると喉が共鳴体になって、豊かな太い音が出せます。音色や音程のコントロールも、喉が大切なような気がします。理論的、物理的に正しいかどうかはよく分かりません。
 喉の使い方に関しては、オーバートーンの練習をしているサキソホンプレーヤーの意見が参考になると思います。
呼吸法
 お腹から吹く(吸う)ということ、いわゆる腹式呼吸です。おなかのあたりは常に力を入れた状態を保ちます。肺の空気がなくなってきても力を入れておくようにします。おなかの使い方に関しては、フルーティストの意見が参考になると思います。
 さらに呼吸法に関しては、ハーモニカ特有の問題があります。吹き、吸いの切り替えです。これをなめらかにかつ、早く行うのにもやはり、お腹の力が必要だと思います。ただ、物理的に考えても、交互に吹、吸となるようなフレーズでレガートで演奏することは、不可能です。あきらめましょう…けど一応練習はしときます。ドレドレドレドレと交互に吹き吸いの練習をしてみましょう。
ロングトーン
 ハーモニカだってロングトーンは必要です。出したい音をイメージし、出ている音を聴きながら、持ち方、アンブシャ、喉、お腹に注意を払いつつ、いろんなダイナミックスでやりましょう。
タンギング
 ジャズのフレーズをジャズらしく演奏するには、タンギングは非常に重要です。強いもの弱いものを練習して、いろんなニュアンスを表現できるようにしましょう。トゥトゥトゥと練習して、ジャズを吹くときはドゥダとかデュダとかいうニュアンスでやるといいでしょう。トゥーツがタングブロック奏法をやらないのは、タンギングが出来なくなるという理由もあるかもしれません。
ビブラート
 ビブラートのかけ方は、ハンド・カバーによるものとお腹によるものや喉、口などによるもの等がありますが、お腹でかけるやり方をマスターしましょう。
 「ハッハッハッ…」という練習を楽器を持たずにして、このお腹の動きを利用してビブラートをかけます。音程の幅や、サイクルでいろいろ音の表情が変わってきますので、いろいろ研究しましょう。フルートの人に聞くといいと思います。
スケール、アルペジオ
 クロマチック・ハーモニカですから当然12のキーで…ファとドに関しては吹き吸いのどちらを使うと、レガートで演奏できるか考え決めておきます。たとえば
キーFのファは吹く=ミファソがつながる
キーBbのファは吸う=レミbファがつながる
吹くドについても4番or5番、8番or9番を決めておきます。
 スケールはメジャー、マイナー、(3種類)
 アルペジオ(分散和音)に関しては、メジャー、マイナーの3和音を中心にパターンを作って、時間がある人は7thや9thや11thまで行ってください。でも結局3和音を上にのっけてるだけだから…
ディミニッシュの3種類は(CdimならC、Eb、Gb、A)、別途練習しましょう。
練習パターンについて
 ハーモニカ用の教本、練習曲集はほとんどありません。音域が同じフルートやいろいろ種類があるサックスなど他の楽器のものを使うといいでしょう。
クラシック
 ショパンの「小犬のワルツ」、バッハの「無伴奏フルートパルティータ」、バガニーニ「常動曲」、モーツアルトの「トルコ行進曲」、モンティ「チャールダッシュ」などテクニカルなものも練習してみましょう。フルートの曲がおすすめです。フルートやバイオリンの演奏を聞いて勉強して下さい。ハーモニカだけを聴いているのではだめです。他の楽器がいかに優れているかがわからないといけません。ハーモニカは自分の歌を歌わないといけないと思います。
ジャズで使うスケール (参照:スケールについて)
 ホール・トーン・スケール、コンビネイション・オブ・ディミニッシュ・スケールとクロマチックハーモニカですから、クロマチックスケールを練習しましょう。
 理論書にはいろんな名前のスケールがありますが、メジャー、マイナー(3種類)、ホール・トーン、コンデミで半音、全音の音のつながりのパターンのほとんどがマスターでるはずです。
 ペンタトニックはフレーズとして練習するのが、いいと思いますが、サックスみたいにパラパラ吹けるまで頑張ればこの限りではありません。
バップ・フレーズ
 1小節、2小節単位のバップ・フレーズを何十種類か、12キーで出来るようにしておきましょう。(例Dm7-G7-Cで レファラドシラbソファミー)
 バップフレーズはサックスなどからコピーしましょう。
おすすめプレーヤー チャーリー・パーカー(as)、ソニー・スティット(as,ts)、ハンク・モブレー(ts)、クリフォード・ブラウン(tp)、グラント・グリーン(g)、マイク・ターク(harm)、ヘドリック・ミューケンス(harm)、徳永延生(harm)
フレージング
 たとえば、レガートで吹ける音の固まりを見つけたら、多少強引にでもいろんなコードで使いましょう。例えば全部吸って音が出る レファラには Dm Dm7 D7 Gm Gm7 G7 Bb BbM7 F F6 FM7など。最初と最後の音が合ってれば、真ん中は耳をつぶりましょう。重要なのは、ジャズ・スタディ等に出ている、アヴェイラブル・ノートではなく、いきおいはったりです。
 フレーズはどの楽器も基本的には共通ですが、それぞれの楽器に合ったフレーズというのもあります。ハーモニカの音色だから許されるフレーズが存在します。トゥーツのフレーズを参考に、他の楽器でやったら後ろからシンバルが飛んでくるようなフレーズを仕入れましょう。
リズム
 フレーズ云々より、リズムのほうが大切だと思います。ジャズは8分音符の吹き方が大切です。基本的に3連ノリですが、時代によりイーブンに近かったりいろいろです。メロディを吹くときは、リズムにゆったり乗ること事を心がけましょう。もちろんこれも時と場合によりますが…
 ありとあらゆるジャズミュージシャンがいろいろ言ってますので、それを参考にしましょう。
 

©fuji-h

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